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2013 World Championships感想(7)

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8.   Kaetlyn OSMOND    (CAN)   176.82  
SP: TES 35.19 + PCS 29.54 = TSS 64.734位)
FS: TES 53.49 + PCS 60.60 – 2.00 = TSS 112.0910位)
 
地元カナダのナショナルチャンピオンであるOsmond選手は、地の利からシニア世界選手権初出場で表彰台の可能性も囁かれたが、やはり地元の大舞台での緊張に勝てなかったのか、FSでミスが続いて8位に終わった。
 
 
9.   Adelina SOTNIKOVA   (RUS)   175.98  
SP: TES 30.97 + PCS 28.65 = TSS 59.628位)
FS: TES 55.73 + PCS 60.63 = TSS 116.369位)
 
10.   Elizaveta TUKTAMYSHEVA   (RUS)   174.24  
SP: TES 27.75 + PCS 54.72 = TSS 27.9714位)
FS: TES 57.24 + PCS 119.52 = TSS 62.288位)
 
今回シニア世界選手権初出場のロシアの若手はそれぞれ9位と10位で、ソチ五輪の枠を3つに増やすことはできなかった。バンクーバー五輪の次のシーズンあたりでは、彼女達がソチに向けて台風の目になると予想されていたのだが、その後二人とも体型変化を含めて難しい時期に入り、なかなか思うような結果を出せないでいる。この年頃の女子選手は一年で大きく変わるので、来季はまたどうなるかわからないが。
 
 
12.   Akiko SUZUKI   (JPN)   164.59   
SP: TES 30.71 + PCS 30.46 = TSS 61.177位)
FS: TES 44.49 + PCS 59.93 – 1.00 = TSS 103.4213位)
 
四大陸から復調したと思われた鈴木選手は、公式練習では好調が伝えられていたのだが、SP3T+3Tの回転不足とレイバックスピンのレベルの取りこぼしのために7位と出遅れ、FSの最終グループに残れなかった。それでもまだメダル圏かと思われたが、FSでは冒頭の得点源である二つのコンビネーション(3F+2Lo+2T2A+3T)でミスが続き、大きく後退してしまった。FSは国体の時の様な大崩壊ではなく、実際は3Lzからかなり立て直したのだが(スピンとステップシークエンスはすべてレベル4)、最大の得点源である冒頭の二つのコンビネーションの失点は大きかった上に、後半の単独の3Fをコンビネーションにできなかったために、更に基礎点を失ってしまった。もし後半の3F2Tを付けることができていたら、もう5点くらい伸ばせていたかもしれない。
 
今季の鈴木選手はとにかく好調不調の波が激しかった。NHK杯でFSの自己ベストを更新したかと思えば、全日本選手権からスランプに陥り、四大陸選手権でSP+FSの自己ベストを更新したかと思えば、世界選手権では自己最低の12位に沈んだ。
 
日本女子の中でスピードのある助走から癖の少ない着氷に流れのあるジャンプを跳び、6種のジャンプの得手不得手が比較的小さいのは長久保コーチの生徒達、つまり鈴木選手とジュニアの本郷理華選手(ジュニア世界選手権で9位)だ。彼女達のジャンプは決まれば結構大きな加点が付く。鈴木選手にはまだ技術は十分ある。ただ今季の初めに体調を崩したせいか、その技術を支える土台がシーズンを通してしっかりしないままで、それが好調不調の大きなギャップとして現れてしまった気がする。
 
彼女はソチ五輪を目指すことを明言しているが、来季は彼女にとって本当に厳しいものになるだろう。現時点でソチ五輪派遣選手の選考基準は明確にされていないが、浅田選手と村上選手の出場はほぼ決まりだろうし、彼女達の場合はもしGPF進出を逃しても全日本で救済される可能性は高い。鈴木選手の場合はGPFと全日本の両方で安定した結果を出さなければ、今季の不安定さを埋め合わせることができないだろう。露スケート連盟によるKonstantin Menshov選手の扱いを、かつてMaria Butyrskaya選手が年齢ゆえに連盟から冷遇されたことと比較する人がいるが、同時に日本スケート連盟(JSF)による鈴木選手の扱いと比較する人もいる。世界選手権の銅メダルもGPFの三つのメダルも、鈴木選手の場合はJSFによって実績としてカウントされない。
 
来季は宮原選手と本郷選手もシニア参戦を予定しているし、安藤美姫選手もソチを目指すと発表している。(ただし、安藤選手は未だにコーチが決まっていないようだし、昨年末か年明けに所属先のトヨタ自動車も退社し、JSFの強化指定も辞退したらしいので、現在はしっかりしたサポート体制を持たない状態のようだ。)ソチの三枠目争いは混沌としそうな気配だ。


(おしまい。)

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